2001年 夏合宿 回想録

2001年8月27日〜29日

第1日(8月27日)

☆軽井沢へ
地圏探発足来、初の大規模行事となったのが軽井沢方面への夏合宿だった。 混乱期を乗り越え、サークル発足からわずか3ヶ月で2泊3日の夏合宿が実現 できたことはまさに奇跡的であり、素晴らしいことであった。 合宿の行き先地が軽井沢に決定したのは、大学の研修所あって、 尚且つ火山巡検が出来て、天体観測適地であって、さらに気象観測にも困らない という条件が全て揃っていたからである。
さて、8月27日午前9時45分、参加者が一人の遅刻もなく熊谷駅に集結。 いざ高崎線に乗って出発した。途中、信越線に乗り換えるために高崎駅で下車 (ここで両毛線方面からの参加者と合流)、午前11時48分に信越線の終点である横川駅に到着した。 横川から先もかつては鉄道が続いていたが、新幹線の開通と同時に廃線になってしまった (新幹線開通によって私のようなビンボー大学生にとってはえらく不便になってしまったわけだ)。 現在では代行バスが碓氷バイパスを走っており、私たちも正午発のバスに乗った。 バスはどんどん碓氷バイパスの坂を登っていく。途中、荒涼とした妙義山の姿に感激する人もいた。 午後12時半、バスは軽井沢駅に到着した。
軽井沢駅から先は「しなの鉄道」という電車にまたまたまた乗り換え、 御代田という3つ先の駅まで行った。これまでの乗り換えも大変だったが、 本当に大変なのはここからだった・・・。


☆遠き軽井沢研修所
さて、研修所最寄の御代田駅に13時15分に到着したわけだが、ここから研修所まで タクシーを使うかトボトボ歩くか、究極の(?)選択を迫られた。 5分間、部員皆で研修所までの案内図と睨めっこした結果の決断・・・、それはトボトボ歩く。 1時間くらいかかるかもしれないのを覚悟した末の決断だった。
んが、研修所までの道のりの遠いこと遠いこと・・・。いくら避暑地軽井沢とはいっても 暑いものは暑く、さらに研修所に向けてはゆるやかな上り坂が延々と続く。 そして、大きな荷物が余計に体力を蝕む。それに加え、地理学科所属の私は研修所までの 道案内をほとんど任せられていたので精神的にも結構参った (タダでさえ皆疲れているのに、仮にもここで迷いでもしたら、大バッシング間違いなし)。 そして、時間が時間だけにそろそろ空腹具合も気になってきた。 しかし、歩いている道は軽井沢駅前のような繁華街ではなく、鬱蒼とした森林地帯。 そう簡単に食事にありつけそうな場所ではなかった。駅から30分ほど歩いたところで やっとコンビニを発見したのでそこで食事と休憩をとった。 15分ほど休んでから再出発、コンビニからさらに30分くらい歩いたところでようやく 研修所に到着した。あぁ、遠かったぞぉ(T_T)


☆気象観測
研修所に到着し、1時間休憩をしてから研修所の庭で気象観測を行った。
観測を行った目的は軽井沢が本当に快適な場所かどうか、自分たちの観測結果をもとに 不快指数を算出したりすることで、大夫勉強会的な意味合いも大きかった。 (何を隠そう、私もこの時はじめて不快指数の計算方法を知った)。 観測を行ったのは15時45分から16時までの約2時間15分で、 この間15分おきに気温・湿度・気圧を測定し、飽和水上気圧・露点温度・不快指数の算出を併せて 行った。結果、肝心の不快指数は概ね70〜75程度。夕方でも不快指数が80を超える熊谷に比べれば 大夫マシという結論である。
ちなみにこの日の気象観測に使用した温度計であるが、最近の気象観測のようにアスマン 通風乾湿計を使用できたわけではない。ナント、当時の部長がティッシュペーパーの箱を 刳り貫いて作成した手製の乾球・湿球温度計を使用したのだ。こんなものを用意していた とは・・・。ご苦労であった。
なお、この時の気象観測結果は11月に行われた学園祭の際に展示発表のテーマとして使用した。


☆合宿1日目無事終了
とりあえず合宿初日の活動は気象観測を行って終わった。 夜は天体観測をする予定だったがムクムクと雷雲が空を覆ったので今夜は中止。 明日に期待となった。幸い、雨が大降りすることは無かった。 天体観測も中止になり夜は参加者皆で和気藹々と過ごした (街の中なら夜の街を散策したいが、研修所のある場所は軽井沢とは名ばかりの鬱蒼とした森の中だ)。
そして、午後10時からは私はラジオを聞いて天気図を書く。 合宿中でもこれだけは欠かさない私であった・・・。 研修所まで長距離を歩いた為に皆も疲れたらしく、自然と日付が変わる頃には就寝になった。




第2日(8月28日)

☆レンタカーで巡検へ
軽井沢合宿2日目の活動はレンタカーを借りての軽井沢(主に浅間山周辺)の巡検であった。 レンタカーは2日目の朝から途中参加することになっていた部員の人が軽井沢駅で借りてきて、 さらに研修所まで迎えに来てくれた。感謝感謝。
さて、朝食も済ませてからレンタカーに乗り軽井沢巡検が始まった。皆で見学地 を話し合った結果、最初は浅間見学の代表格である鬼押出しへ行くことになった。 華やかな軽井沢の市街地を過ぎて、カーブの多い国道をどんどん登っていく。そして、峠を越 えると左手に半分雲に隠されつつも巨大な浅間山が姿をあらわした。それから間もなく鬼押出し へと到着し、見学した。(鬼押出しではしっかりと入場料をとられます) 鬼押出しは江戸時代天明期の浅間山大噴火によって生まれた溶岩原で、その溶岩の隙間から松 などの木が所々に生えているという独特の風景が創り出されている。そして、鬼押出しのスケー ルの大きさを感じると同時に、火山噴火の凄まじさをと、樹木の生命力の強さを同時に感じるこ とも出来た。
鬼押出しの中を1時間ほど皆で散策した後は30分ほど自由行動になった。ある者は夏の暑さに耐え かねアイスを買い、またある者は御土産を物色、と言った感じだったが、またある者若干一名が 夏の暑さに耐えかね当地名物(?)の「こけももジュース」とやらを買ってしまった。だが、そ れが買ったご本人の口に合わなかったのか、マズイから飲んでくれと回し飲み大会が始まった。 結局、回し飲みの結果飲んだ5人中4人がマズイと答えたので、そのジュースは口に合わないので はなく本当にマズかったという結論に達した。ちなみに5人中4人に該当しないのは何を隠そう私 のことだ!(笑)

☆博物館見学
さて、こけももの話はそろそろ忘れることにして、話を真面目に巡検の方に戻したいと思う。 鬼石出しを後にして、次に見学したのは鬼押出しのすぐ近くにある浅間火山博物館だ。 (ここでもしっかり料金をとられた、博物館だから当たり前か・・・)
火山博物館は模型や噴火再現の演出などにかなり力を入れた博物館で、それなりの迫力があった。 ここの博物館を見学して、私が一番気になった展示が「鬼押出しの過去と未来」だ。その展示による と、今から200年後にはあの溶岩に覆われ荒涼とした鬼押出しが、森林に覆い尽くされてしまうそうだ。

☆鎌原観音堂へ
火山博物館を見学した後は、当初の予定であれば浅間牧場を観光することになっていたのだが、 鎌原観音堂を見学したいと言う人が多数居たので、予定を変更しコンビニで昼食を済ませてから 鎌原へ向かうことになった。
鎌原観音堂は、江戸時代の浅間山代噴火によって石段の下半分が埋没してしまったという有名な場所である。 さらに、観音堂周辺の地面の下には当時の噴火で埋もれてしまった集落が眠っているのだ。噴火による犠牲者も 多数居たという。
今、自分たちが立っている地面の下に集落が丸ごと埋もれているとは到底想像もつかないが、 それと同時に噴火の恐ろしさを感じさせてくれる場所だ。
私個人的には予定を変更して鎌原観音堂を見学することが出来て良かったと思っている。
荒涼とした鬼押出しの溶岩原の様子、遠くに見えている山は草津方面 鎌原観音堂。石段の下半分は江戸時代の噴火によって地面に埋もれている


☆白糸の滝
鎌原観音堂を出発したころには時間も午後3時を過ぎ、軽井沢巡検の締めくくりは白糸の滝へ 行くことになった。途中、浅間山を一望できるドライブインで休憩し、私を含めて浅間山の写真撮影 をする人も多かった。ドライブインのある場所は標高1500mで、夏とはいってもかなり寒かった。
さて、白糸の滝の駐車場に車を置き、歩いて5分くらいで白糸の滝に到着した。 白糸の滝は湧水による滝なので、滝壷の水は限りなく澄んでていて、水もとても冷たい滝だ。 地圏探部員一同、「水のカーテン」とも言えよう白糸の滝の美しさを楽しみ、最後の見学地である 白糸の滝を後にした。
白糸の滝、水は澄んでいて非常に冷たい


☆宴会と天体観測
午後6時過ぎに、途中のコンビニで夜の食料などの買い込みを済ませ研修所へ帰った。 食事終了後は初の地圏探合宿の成功を祝い、全員でコンパを行った。夜の10時から始まったコンパは午前1時まで続き、 私は歩行困難に陥るくらい飲んだ・・・(というより、私の場合酒を飲むと足に出やすいらしい)。
このコンパを境にこれまであまり腹を割って話すことのなかった他の部員たちとの親睦が深まったように思える・・・。
さて、午前1時くらいにコンパが終わり、普通のサークルであればいよいよ寝に入るところであるが、 酔い覚ましがてら天体観測会を行うことになった。外に出ると、なんと天の川が見えるくらいの素晴らしい星空が 広がっており、星座探しなどを中心に1時間くらいの天体観測が行われた。昨日の曇空へのリベンジは こうして無事に達成されたのである
天体観測から引き上げた後は、もう眠い・・・、ということで寝る人も居れば、私のようにトランプ大会に没頭するグループもあった。 結局、トランプ組みは午前5時くらいまでトランプ(しかも、延々と7並べばかりやっていた(笑))を続け、そして寝た。




第3日(8月29日)

☆軽井沢観光、そして合宿無事終了
最終日は軽井沢銀座でのんびり観光をした(だから、昨夜午前5時まで起きていても問題なかったのだ)。 研修所から御代田駅まで再び歩いたが、下り坂の為か行きほど長くは感じなかった。
10時頃に軽井沢駅に到着し、ここで2〜3時間の自由行動となった。皆、散り散りになり買い物を済ませるなり ご飯を食べるなりしていた。私も現地で取れた蜂蜜を仕入れたり、いろいろと軽井沢銀座を楽しんだ。
最後にたっぷり観光を楽しんで地圏探は軽井沢を後にした。このあとは行きに来た経路を 逆戻りするだけ・・・。午後4時には熊谷駅に到着。
こうして地圏探発足後最初の大行事、夏合宿は大成功に終わることができました。

[完]


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